こどもの運動能力を7つに分類した「コーディネーション能力」をテニスで説明
コーディネーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
過去にスポーツをしていた方や、お子様を運動教室に通わせようとお考え中の方は聞いたことがあるかと思います。
今回の記事ではコーディネーションのそれぞれの意味と内容に加えて、
実際にテニスのシーンではどの部分が影響してくるのかを現役テニスインストラクターの視点から考えてみましたので
運動教室(特にテニス)に通わせようとしている親御さんはぜひ参考になるかと思いますのでご覧いただければと思います。
こどもの運動能力を7つに分類した「コーディネーション能力」をテニスで説明します。
今回の記事では
・コーディネーションの意味
・コーディネーションの7つの能力
・テニスにおいてのコーディネーション能力
について順番にお伝えしていきます。
コーディネーションの意味
コーディネーションとはスポーツの世界では主に「運動協調性」の事を指しており、
運動神経の元となっている各運動をいろんな項目に細かくカテゴライズして考えられた名称になります。
コーディネーション能力という言葉で呼ばれていたりします。
現代ほど遊びの種類が少なかった時代の子供たちは自身で考えた外遊びで培ってきたと言われています。
そして、各能力を鍛える練習の事をコーディネーショントレーニングと呼びます。
スポーツの種類によって重要となるコーディネーション能力は変わりますが、
テニスという競技特性で考えたら、この能力は満遍なく高い事を求められます。
コーディネーションの7つの能力
現在、コーディネーション能力は7つの項目に分類することが出来ます。
1.リズム能力・・・動くタイミングを上手につかむ能力
2.バランス能力・・バランスを正しく保ち崩れた体制を立て直す能力
3.変換能力・・・・状況の変化に合わせて素早く動きを切り替える能力
4.反応能力・・・・合図に素早く反応し、適切に対応する能力
5.連結能力・・・・体全体をスムーズに動かす能力
6.定位能力・・・・動いてる物と自分の位置関係を把握する能力
7.識別能力・・・・道具やスポーツ用具を上手に操作する能力
この能力が一番伸びる時期が3歳~6歳くらいと言われています。
子供をもつ親としては遊びの中でこれらの能力を伸ばしてあげる意識をされるのがいいかと思います。
例えば、道具を使って風船を落とさないようにポンポンし続けるといったシンプルな遊びですら
道具を上手に扱う識別能力と、風船に触れる場所に移動し続ける定位能力と
ふわふわ揺れる風船に合わせて動く変換能力と、タイミングよく風船に道具を当てるリズム能力が
関係してきます。
テレビゲームやアプリゲームではこれらの能力が鍛えられないことがわかるかと思います。
テニスにおいてのコーディネーション能力
一般的なコーディネーション能力について理解が深まったところで、
テニスをするうえで必要となるコーディネーション能力を簡単にお伝えしていきたいと思います。
例えば、「飛んできたボールを打つ」という動作において必要となるコーディネーションは
1.飛んできたボールに対して、スイングしやすい位置に移動する(定位能力)
2.バウンドしたボールをタイミングよく打ちやすい打点で打つ(リズム能力)
3.スイングの際に身体全体をスムーズに動かして運動連鎖を行いつつ、ラケットでボールを捕らえる(連結能力・識別能力)
4.スイング後に素早く構えなおす(バランス能力)
5.次の相手のボールに対応する(反応能力)
コーチが返しやすい場所に返球すると想定しても、実にこれだけの能力が必要となります。
一つ一つの能力が独立して機能してるわけではなく、全てが連動している所がまた難しいと言えますね。
しかしながら、適切な時期の適切な運動は運動神経の回路を作ってくれますので
その回路が一度出来上がってしまえば無意識でも連動した動作が出来るようなります。
特に3歳~6歳の時期は運動神経の回路が作りやすい時期なのでこの時期に集中して運動させることをおすすめします。